「チワワ特有の病気を予防すれば寿命は長くなる?(前編)」では、 チワワ の飼いやすさや餌の種類についてご紹介いたしました。
後編では、チワワの 寿命 や罹りやすい病気についてお伝えいたします。
チワワ特有の病気を予防すれば寿命は長くなる?(後編)
いつも震えてる?
チワワと言えば、小さい体を震わせていて、何かを怖がっているような姿をよく目にします。
何に対し、そしてどのような感情から震えているのでしょうか。
震えの原因の1つめは、寒がりと言うことです。
実は震えるという行動は、筋肉の収縮運動がおこなわれ、熱を発生させることができるため、震えると言うことで体温調整をしているということなのです。
チワワの原産国はメキシコで、1日の中での温度差はあるものの、1年を通じて高温の年間平均気温は24度程度と非常に暖かい国生まれの犬種です。
そのため最高気温では30度以上を示す月はあるものの、最低気温でマイナスを刻むこともある日本は、チワワにとっては寒いと言えます。
冷えは低体温となることでさまざまな器官の活動機能を低下させ、免疫力の低下を招き、多くの病気に罹患する可能性を高めます。
日本の冬場を乗り切るためには、外出時には洋服を着せるなど防寒対策してあげることをおすすめします。
震えの原因の2つめは、初めての経験に遭遇した場合です。
チワワは警戒心が強く、それはある意味怖がりでもあると言うことです。
緊張も加わり、初対面の人や行ったことのない場所などに対しては、非常に警戒心をむき出しにして吠え続けたり、震えが出ます。
その際は、しつけとして吠えることに対してはきちんと制止させる必要があります。
しかし恐怖からきている行動のため、むやみに叱るのではなく、飼い主が抱きあげてなだめてあげるようにしましょう。
震えの原因の3つ目は、病気の可能性からです。
身近で罹患しやすい病としては低血糖です。軽度の症状では子犬が多く罹患すると言われています。
子犬の場合は空腹、冷え、ストレスをはじめ、肝機能が未発達なため食べたものからしっかりと栄養素を取り入れられないことから低血糖に陥る場合が多いようです。
しかし成犬や老犬の場合は、上記の原因に加え、過度な運動のほか、なによりも腫瘍が原因となる震えの可能性も出てくると言うことです。
震えは腫瘍が神経系を圧迫して悪影響をもたらしているためです。
低血糖では震えのほか、目がうつろ、あまり動かなくなる、食べなくなる、痙攣、意識障害などが発生します。
上記の1つめや2つめの原因に該当していない震えが続く場合は病気の可能性を疑い、早めに病院を受診するようにしましょう。
ペットの寿命をできる限り長くするためにも、日ごろの健康観察をしっかりとおこないましょう。
震えの原因は腫瘍という重度のものでなく、発熱などの風邪の症状でも出る場合があります。
チワワはそもそも寒がりという体質でもあるため、冬場は洋服を着せたり、ペット用ホットカーペットを使用するなどして、暖かい環境の中で生活させてあげるよう心掛けましょう。
注意すべき病気とは?
チワワは特に病気に罹患しやすい犬種とは言われていません。
しかし体が小さいだけに、食べ物の質や量によって影響を受けやすいため、肥満にも注意が必要です。
ではどのような病気に特に罹患しやすいのでしょうか。
1つめは、膝の皿が外れてしまう膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)です。
チワワをはじめとする小さな犬種は非常に骨が華奢なため、骨がおさまるべき溝が浅く外れやすかったり、膝の皿を支える靱帯が弱い個体が多いため、膝蓋骨脱臼に罹患しやすいと言われています。
足を床に下ろしたがらない、歩かせようとするとお座りをしてしまう、外れた骨を治すように足を伸ばす仕草が増えた、ピョンピョンと跳ねるような歩き方になったなどの行動がある場合は、膝蓋骨脱臼を発症している可能性が高いため、無理に歩かせず、早めに病院を受診するようにしましょう。
また予防策として幼いころからソファーや階段にはあがらせないようにし、喜んでジャンプさせることもできる限り避けるようにしましょう。
そして獣医に相談した上で、関節を強化させるサプリメントを日ごろから飲ませてあげることもおすすめです。
2つめは気管虚脱です。超小型犬や小型犬はそもそも気管が狭い犬種が多く、中には先天的により気管が狭く正常な形状を保っていない個体もいるようです。
その状態で肥満などが原因で気管がより狭くなり、呼吸がしにくくなり、呼吸が荒くなったりする症状です。
一時的なものであれば気管支拡張剤を処方されますが、継続的なものになると外科的処置が必要となります。
しかしチワワの場合、元々の気管が細いため手術が困難で、医師によってはあまり手術をすすめないこともあるようです。
そのほかにも角膜炎をはじめとした目に関する病気、僧帽弁閉鎖不全(そうぼうべんへいさふぜん)という心臓病などチワワ特有の罹患しやすい病気があります。
愛するペットの病気を早期発見できるかどうかは、わずかな体調の変化にしっかりと飼い主が気づけるかどうかです。
病気に全く気づけず寿命を縮めてしまうことは飼い主にとって不本意で悲しいことです。
できる限りストレスフリーな生活を心掛けてあげるためにも、会社や学校などで不在が多い人も毎日の散歩を欠かさず、必ず飼い主と一緒に関わる時間をとってあげるようにしましょう。
まとめ
チワワ特有の病気を予防すれば寿命は長くなる?(後編)
いつも震えてる?
注意すべき病気とは?