里親 制度を利用すると雑種犬ばかりのように感じますが、 ダルメシアン などの純血種もいないわけではないようです。
しかし近年は里親になるための譲渡条件が非常に厳しく、しっかりと命の大切さを理解させることを重視しているようです。どのような形で譲渡されているのでしょうか。
ダルメシアンはどんな事情で里親募集が出るの?(前編)
里親さがしはどうやってやるの?
101匹わんちゃんの映画で有名なダルメシアンは、賢く、遊び好き、好奇心旺盛な性格で、人間との関わり方も上手なため比較的しつけもしやすく、大型犬の中では飼いやすいと言われています。
しかし里親制度を利用しようとすると、ダルメシアンなどの純血種犬はなかなかいないように感じるのですが、実際どうなのでしょうか。
里親さがしをおこなう上で、もっとも身近な場所は近隣にある各都道府県の愛護センターになります。
道路や広場、公園などの公共の場において傷を負っていたり、放浪している子や、飼い主からさまざまな理由によって保護された犬や猫たちは、各都道府県の動物愛護センターに運ばれます。
平成16年度には、飼い主不明の犬、また「飼いきれない」などさまざまな理由によって飼い主から引き取られた数が181,167匹、うち約14%にあたる25,297匹が、飼い主に返還されたり譲渡されています。
しかし残る約86%にあたる155,870匹は、最終的に処分されると言う非常に悲しい結末を迎えることとなっています。
こういった事態を重くみて、各都道府県の愛護センターでは、今まで子犬ばかりを譲渡対象としていましたが、成犬にも広げる試みをおこないました。
野良犬から生まれた子はほとんどが雑種となりますが、どこのセンターでも子犬は譲渡先が見つかりやすい傾向にあります。
やはり成犬は、それまで過ごしてきた環境の中で培われた性格などもあり、中には野生化したことで凶暴性があったり、人間不信など問題をもった犬も決して少なくなく、加えて老齢犬もいます。
そのため譲渡対象として目を向けてもらうことは非常に難しいものでした。
しかし各都道府県の愛護センターでは、処分という悲しい結果を迎える犬たちを減らし、譲渡数をできる限り増やすために多くの努力を重ねているのです。
野良犬として保護された犬たちの多くは体中が汚れ、ダニやノミまみれになっている子がほとんどのため、体中をきれいにして清潔な状態を保ちます。
そして野犬化している犬に関しては、時間をかけて人間との関わり方など訓練をおこないます。
また譲渡会だけでなく、定期的に犬の飼い方教室やしつけ教室、ふれあい教室などを開催して、多くの人たちにしっかりと犬に関する知識をつけたもらう活動も積極的におこなっています。
こういった活動によって平成29年度には全都道府県の愛護センターでの引き取り数が38,511匹に対し、約78%にあたる29,955匹が返還や譲渡されるようになりました。
残念ながら処分という手段が執られた犬たちもいますが、その数は平成16年度の155,870匹に対し、平成29年度には8,362匹と激減しています。
愛護センターのスタッフたちによる多くの努力が実を結んだ結果が大きく出ていると言うことです。
まとめ
ダルメシアンはどんな事情で里親募集が出るの?(前編)
里親さがしはどうやってやるの?