「ダルメシアンはどんな事情で里親募集が出るの?(前編)」では、 里親 がどこで募集されているのかお伝えいたしました。
後編では、 ダルメシアン がなぜ里親に託されるのか、また里親になるための条件にはどのような事柄があるのかお伝えいたします。
ダルメシアンはどんな事情で里親募集が出るの? (後編)
民間にもその和が
各都道府県の愛護センターのような活動は、民間にも広まっています。
以前から民間でも野良犬の保護や飼い主からの引き取りなどの活動はおこなわれていました。
しかし近年のペットブームでより犬や猫などの存在が身近になったことにより、人々の動物の命に対する関心も高まりました。
非営利団体であるNPO法人などをはじめ、保護犬カフェなど民間においても、地域で保護した犬、飼い主から引き取った犬、そして愛護センターから保護犬を委託されて譲渡会を開催したり、インターネットを使って里親募集をする活動をおこなっています。
保護犬カフェでは、ダルメシアンなど大型犬や愛護センターで保護された問題行動のある犬たちも、カフェスタッフにより多くの時間をかけて訓練を重ね、徐々に人間になれることでやっとカフェデビューさせます。
保護犬カフェのように、数多くの民間でも活動を広げることで、多くの里親希望者達の目に触れる機会を作ることができるようになりました。
それは結果的に愛護センターだけでは救いきれなかったより多くの犬たちを救うことに繋がっているのです。
里親になるためには
以前は里親希望すると、受け入れ希望者との面談があったり、生活環境調査というものはありましたが、譲渡はそれほどハードルが高いものではありませんでした。
しかし近年ペットブームの一方で、国内では動物虐待など非情な扱いを受けている犬たちが増加していることがニュースなどでも多く取り上げられ大きな問題となっています。
このような事態を避けるために、ここ十数年で里親制度は非常に厳しい制約の元、譲渡がおこなわれています。
以前のように里親を希望しても、直ぐさま譲渡と言うことには決してなりません。
里親希望者は、まず譲渡できる条件を十分理解する必要があります。
室内飼い、家庭環境や飼育形態、狂犬病予防やワクチン接種、フェラリア予防の必須、家族の留守時間、希望者の年齢などを始め、非常に細かく厳しい条件があります。
この条件を承諾して初めて、正式に譲渡希望者として希望の犬との相性などを確認するための十分な顔合わせをおこなうことができます。
この際も、希望した犬との相性が残念ながら合っていないと思われた場合は、スタッフから別の子で再検討するよう伝えられる可能性もあります。
また顔合わせで相性が良いとされた場合でも、その後トライアルと言って、実際一週間前後などの規定の期間、譲渡希望者宅に犬を連れて行き、家族とともに生活をする予行試験をおこないます。
こういった全ての工程をクリアした上で、やっと正式譲渡となります。
ダルメシアンなどの大型犬の場合、予想以上にパワーもあるため「しつけや散歩もままならない」や「脱走癖がある」などの問題を抱えて、結果的に飼いきれないと言うことで保護を希望する飼い主も多いようです。
そのため地域の野生化した犬を保護する場合は雑種が多いですが、既に一度人間に飼われていた状態から保護された犬たちに関しては純血種がほとんどです。
もちろん保護された純血種犬の中には、引っ越しや転勤でどうしても次の転居先で動物が飼えないなどの理由でもいます。
しかし前述のように、ダルメシアンをはじめとした大型犬などは、飼い主の大型犬に関する知識不足などもあり、しっかりとした主従関係を作れず、散歩やしつけができないために保護された子たちも多くいます。
こういった問題犬ができあがってしまうのは、犬の責任ではなく、多くが受け入れた人間の問題です。
可愛さ余りに何でも許してあげる飼い方は、どうしても犬が飼い主を並列の立場とみてしまいます。
散歩の時も勝手気ままに引っ張り回したり、無駄吠えが多くなったり、家具などをかじり回ったりなど、好き放題の性格に育ってしまいます。
里親募集がかけられた犬たちは、何らかの事情をもった子たちが多いです。
そのため里親として新たに犬を迎えた場合、そういった問題を抱えた子をしっかりとしつけて、二度と保護されるようなことがないように大きな責任が伴うことを十分理解する必要があります。
ペットを飼うことは非常に楽しみであり幸せいっぱいの気持ちになります。
しかしその子の一生を面倒みるという重責があるということをしっかりと認識した上で飼うことをおすすめします。
まとめ
ダルメシアンはどんな事情で里親募集が出るの?(後編)
民間にもその和が
里親になるためには