ハクビシン による被害は農作物や生ゴミを荒らすだけでなく、 ふん 尿被害も非常に深刻な状態です。
今回は、ハクビシンの生態やハクビシンによる被害、またハクビシンが駆除対象動物となる理由についてお伝えいたします。
ハクビシンのふん尿被害 ~生態と被害~(前編)
ハクビシンの生態
ハクビシンは体長60cm前後で、頭から鼻への白いラインが特徴のジャコウネコ科の動物です。野菜や果物だけでなく、昆虫やカエル、鳥、ネズミ、ウサギなどの小動物も捕食し、凶暴性もある雑食動物です。
民家への獣被害ではコウモリやアライグマなども報告されていますが、ハクビシンの被害が群を抜いて増加しているそうです。
全国的にハクビシンの民家などへの侵入被害が多くありますが、近年では都会がより被害件数が増えているそうです。
都会は飲食店や民家も多く出される生ゴミも多いため、ハクビシンにとっては餌が豊富で非常に住みやすく感じられるのでしょう。
ハクビシンはクマなどのように冬眠はせず、基本的には一年中活動します。
繁殖時期も特に限定されず多頭出産のため、一度民家に侵入されてしまうと数は増える一方で、その分ふん尿被害も被害は拡大することになってしまうのです。
ハクビシンが駆除対象になる理由
ハクビシンは鳥獣保護法の保護下にあり、特別な理由がない限りペットとして飼育することは難しい動物です。
またここ十数年では人間にとって被害を与える動物として駆除の対象とされています。
ハクビシンによりどのような被害があるのでしょうか。
2003年は、命をも脅かす病気として世界に脅威を及ぼした重症急性呼吸器症候群、いわゆるSARS(サーズ)の原因菌となるSARSコロナウイルスに類似するウイルスが、中国の野生動物(ハクビシンをはじめとしたイタチアナグマやタヌキ)から確認されました。
そのためSARS によるパンデミック(世界を脅威に陥れる流行病)を避けるために、WHO(世界保健機関)はハクビシンなど対象動物の輸入を一時的に禁止としました。
しかしさまざまな調査から、結果的にハクビシンの菌がSARS発症原因となる可能性はないと判断されました。
疑いはなくなったものの、ハクビシンという名前は奇しくもこのことにより日本中に広く知れ渡ることとなりました。
テレビではクマやイノシシによる畑や果樹園、ゴミ収集場所の生ゴミなどでの食い荒らし被害を頻繁に報道しています。
しかし地域によってはクマやイノシシ以上にカラスやハクビシンによる被害が多く、ある市では平成27年度のハクビシンによる果樹や野菜の食い荒らし被害額は年間4、000万円超にも達しています。
ハクビシンは冬眠しないため、農作物は温かく、尚且つ実りの多い春や夏などの季節に集中して、それ以外の季節にはゴミ収集場所などを荒らして餌を確保しているそうです。
各市町村はハクビシン駆除を強化して被害を最小限に抑えるために、出没情報に基づいて箱形の罠の設置などを積極的におこない、被害情報も警察、市役所、猟友会などが情報を共有して連携を図ることに力を入れているところも増えてきているようです。
しかしハクビシンの繁殖期はある一定の時期に限られたものではなく一年中対象となるため、繁殖力は非常に高く、駆除をおこなってもそれを上回る数の増加があるために中々被害を抑えるまでには至っていません。
そしてハクビシンによる被害は農作物や生ゴミを荒らすだけでなく、ふん尿被害も非常に深刻だと言うことなのです。
まとめ
ハクビシンのふん尿被害 ~生態と被害~(前編)
ハクビシンの生態
ハクビシンが駆除対象になる理由