ハサミムシ はお尻にあるハサミが特徴的な虫です。その鋏に挟まれたらさぞ痛そうに見えますが、実際に私たちに 害 はあるのでしょうか?
また、家の中にハサミムシがあらわれた時にはどう駆除すればよいのでしょうか。今回は、ハサミムシの生態と駆除方法についてご紹介いたします。
ハサミムシには害がある? ~大量発生と駆除方法~
ハサミムシは害虫?
結論からいうと、ハサミムシは害虫ではありません。
害虫といえば、農作物への被害や人体への直接的な影響を与える虫を思い浮かべる方が多いと思いますが、その点ではハサミムシは人間に直接害を与えることはありません。
ハサミムシは雑食性で、ダンゴムシやハエの幼虫などを食べる一方、雑草など植物も餌にしています。見方を変えると、他の害虫を食べてくれるありがたい虫ともいえるでしょう。
お尻の鋏でよっぽど強い力で挟まれると出血する場合もありますが、この場合ほとんどはハサミムシの威嚇による攻撃です。驚かさなければこのように鋏で挟まれることはありません。
もしハサミムシによるかぶれや痛みが出たという方は、挟まれた傷口からばい菌が入った可能性か、もしくはハネカクシという虫を疑ってみてください。
この虫を潰すなどして体液が皮膚と接触してしまうと、かぶれの症状が出ます。ハサミムシによく似ていますが、ハネカクシは黒とオレンジ色の模様が特徴的です。
ハサミムシには毒はありませんので、もしはさまれてもこのように症状が出ることはありません。
ハサミムシの生態
ハサミムシとは、ハサミムシ目に属する昆虫の総称です。
世界中で約2,000種類が知られ、日本では現在40種類が確認されています。
ハサミムシの一番の特徴はなんといってもお尻についている鋏です。
オスは鋏の曲がり角度が強く、反対にメスのそれはほとんど直線状で、性別の判断は容易です。
この鋏は主に威嚇や防御、エサの確保に利用されています。
日本で一般的にみられるハサミムシは体長は30mm前後で黒褐色の細長い体つきをしています。
もしこの虫が部屋に侵入したときは、一瞬ではっきりと存在を見つけることができるでしょう。
ハサミムシが好きな場所は、暗く湿度の高い場所です。石の下や排水溝、家の床下や生ごみが散乱しているところにもよく出現します。
活動が活発な時期は4月~10月ですが、あたたかく餌が豊富にあるような場所では、より長期間に渡って元気に行動します。
ちなみに世界最大のハサミムシはセントヘレナオオハサミムシで、体長は鋏を含め84mmにもなります。
昆虫マニアにとっては目を引き付けられる存在感でしょうが、残念ながら2004年を境に絶滅したといわれています。
さて、ここまで読んで、害虫ではないことはわかったけれど、どうしても見た目が気持ち悪い、という方は多いのではないでしょうか。
また特に、小さなお子さんや赤ちゃんのいるご家庭では、もし部屋にハサミムシが侵入した場合、誤って口に入れてしまう可能性があります。
次はハサミムシが部屋の中に入ってきてしまった時に、どのような対処方法があるかを考えます。
ハサミムシの発生と駆除方法
ハサミムシが好むのは湿気の多い場所ですので、まずは掃除をこまめにし、部屋内を清潔に保つことが必要です。
ものが散乱していたり、お菓子の食べ残しなどが長期間に渡って部屋にあると、ハサミムシだけでなくゴキブリなど他の虫を引き寄せてしまうことにもなります。
上記の説明のように、ハサミムシは他の虫を捕食していますから、餌となるような虫が発生するような環境を作らないことも重要です。
もしハサミムシが頻繁に部屋の中に現れるようなら、餌となる虫が大量発生している可能性がないか確認してみましょう。
庭のあるご家庭の場合は、庭の落ち葉をこまめに掃いたり、可能であれば砂利を敷いたりするなどして乾燥しやすい環境を作ることも対策の一つです。
また、換気口や排水溝、窓サッシの微細な隙間など、ほんの少しでも外からハサミムシが入って来られるような隙間は徹底的に確認して、塞いでしまいましょう。
水気のある台所やお風呂などは、使用後に熱湯を一面に撒くと素早く乾燥し、殺菌効果も出るのでおすすめです。
どうしても大量発生して困っているときは、害虫用の忌避剤を家の周りなどに撒くと効果が早く出ます。
いずれにせよ、ハサミムシは悪気があって部屋の中に入ってきているわけではありません。
もし部屋にいるのをみかけたら、そっと声をかけて外に放してあげましょう。
まとめ
ハサミムシには害がある? ~大量発生と駆除方法~
ハサミムシは害虫?
ハサミムシの生態
ハサミムシの発生と駆除方法