血が混じったウンチ、いわゆる 血便 があった場合、何らかの 犬の病気 が疑われる可能性が高くなります。
中には短時間で命の危険もある病もあるため、血便に気づいたらできる限り早急に病院に連れて行けるように、日ごろから尿や便の確認の習慣をつけるようにしましょう。
犬の病気が潜む可能性の高い血便は、時に命の危険も!(前編)
生理と重なると判断は難しい
雌犬の場合、生後7ヶ月前後になると、およそ半年から1年に1回のペースで生理が始まります。
すると、血が混じった排尿や排便があっても、それが血尿か血便か、あるいはいずれでもなく生理の血液が混じっているだけの物か、飼い主では判断が難しいと思います。
しかしそれ以外に食事量が減った、体重の減少がみられる、散歩に行きたがらなくなったなど、体調の変化がみられる上に血尿や血便のような状態が続いている場合は、何らかの犬の病気の疑いが高くなるため、すぐに病院でみてもらうことをお勧めします。
ただし生理中の雌犬には、日ごろと変わらない元気な状態でいる子もいれば、前述のようなぐったりとした症状が出る子もいるため注意深く観察する必要があります。
血便の色や状態で違う?
血便は何らかの犬の病気が潜んでいる可能性が高くなりますが、血便の中でもその色や臭い、状態によってどのような病気を発症しているのかを確認するための判断材料の一つになります。
1つ目はタール便です。
血が混ざっている便とは考えづらい黒くドロッとした便、いわゆるタール便は、内臓器内の出血量が多量の時に出る便と言われています。
口腔から肛門にあたる胃や食道などの消化器系の臓器の病気が疑われ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、ひどい場合は胃がんを発症している可能性もあります。
多量出血の可能性が考えられるため、安易に考えずに、すぐに病院でみてもらうことをお勧めします。
2つ目の粘り気のある血便、いわゆる粘血便が出た場合は、回虫など腸内に寄生する寄生虫が原因の可能性があります。
寄生虫感染の場合、粘血便以外は下痢の排便異常のほかには、元気がない、膨満感など、素人では中々読み取りにくい症状しか出ないため発見しづらいということがあります。
寄生虫感染の原因としては、母体を通じて子犬のころに感染したり、土壌を通じて犬の皮膚から感染、既に感染済みの犬の糞からの感染、既に感染済みの動物をくわえたりすることで感染するなど、感染経路はさまざまです。
3つ目はウイルス感染による血便です。
中でも致死率が非常に高いと言われているパルボウイルスです。
生後2ヶ月から4ヶ月程度の子犬がとくに発症しやすいと言われています。
そもそも子犬は内臓系も未発達な上に、購入して家に迎え入れたことによって精神的に食欲不振や下痢を繰り返す子もいるため飼い主としては病院に連れて行くべき症状なのかどうかを非常に悩むかと思います。
しかしパルボウイルスの場合、下痢は非常に水っぽく、ドロッとした血液が混じるようすも確認でき、何よりも鼻をつく悪臭を放つため、一般的な下痢とは区別しやすい状態ではあるかもしれません。
高熱を伴い、繰り返す激しい下痢と嘔吐、脱水症状も起こすことにより、たちまち衰退していき、あっという間に命を落としてしまう危険がある犬の病気です。
疑いを感じたらすぐに病院に連れて行くようにしましょう。
血便は、目にみえない内臓系の病が潜んでいる場合が考えられます。
そのため血便を確認したら、できる限り早めに病院に連れて行き、その数日前からの犬の体調や食欲、そのほかの著しいようすを獣医にしっかりと伝えられるようにしておきましょう。
まとめ
犬の病気が潜む可能性の高い血便は、時に命の危険も!(前編)
生理と重なると判断は難しい
血便の色や状態で違う?