カナブンとコガネムシの違いは何でしょうか。カナブンもコガネムシもコガネムシ科の昆虫です。細かくわけると、カナブンは「コガネムシ科ハナムグリ亜科カナブン属」、コガネムシは「コガネムシ科スジコガネ亜科コガネムシ属」に分類されています。
今回は、カナブンとコガネムシ、それぞれの特徴と見わけ方をご説明いたします。
カナブンとコガネムシ違い ~特徴と見わけ方~
カナブンとコガネムシ
夏休みの昆虫採集は、子供達にとって昆虫の習性やさまざまな自然の不思議を学ぶ事ができる楽しい授業でもあります。
しかしカナブンやコガネムシは「捕まえる」というより道端に落ちていたり、ベランダにひっくり返っていることも多く、子供達の中でも「レア度の低い小さな緑色っぽい虫」というイメージではないでしょうか。
中にはどちらも同じ虫だと思っている方もいらっしゃるかも知れません。しかし実は両者にはれっきとした違いがあります。
コガネムシ科の昆虫
日本に約8,000種類いるとされる甲虫の仲間とされています。
その中の「コガネムシ科」には夏休みの子供達のヒーロー、カブトムシをはじめ、300種類以上の昆虫が分類されています。
カナブンもコガネムシもこのコガネムシ科の昆虫です。
細かくわけると、カナブンは「コガネムシ科ハナムグリ亜科カナブン属」、コガネムシは「コガネムシ科スジコガネ亜科コガネムシ属」に分類されています。
カナブンとコガネムシはそれぞれ別の家族を持っている親戚同士のようなものと考えることができるかも知れません。
カナブンとコガネムシの違い
カナブンは夜行性であるのに対してコガネムシの仲間は主に昼行性です。
夜、光に向かって飛んで来るものはカナブンで、日中に活発に活動しているものはコガネムシである可能性が高いということになります。
また、カナブンもコガネムシも日本各地に広く分布していますが、カナブンは雑木林などの広葉樹の近く、コガネムシは畑や花壇などで見つかることが多いようです。
これは彼らの生活に関係しています。カナブンの幼虫は朽ち木を食べて成長し、成虫は夜になると樹液や熟した果実の汁等を吸って、日中は土や落ち葉の下で体を休めます。
つまりカナブンはカブトムシと同じように飼育することができるでしょう。
一方コガネムシの幼虫は土の中で植物の根などを食べています。プランターや鉢植えの植物が枯れてしまい、土の中を探すとコガネムシの幼虫が見つかることもあるそうです。
蛹を経て地上に現れた成虫は植物の芽や葉、花などを食べるようになります。
童謡の「コガネムシは金持ちだ」というプラスのイメージとは裏腹に畑の作物や丹精した花を食い荒らす「害虫」として農家や園芸家の人々の間では嫌われているようです。
色やカタチ
分類の項で述べたように「カナブン」「コガネムシ」もそれぞれ更に細かく何種類かの仲間にわかれています。
色の違いとしては、カナブンの方が地色の緑色に対して黄色や赤茶色の割合が多く、金属光沢もコガネムシにくらべやや弱いようです。
形状を見てみると、カナブンは頭部が四角に近い形をしており、樹液を吸うため木にしっかりと掴まることのできる鋭い2本の爪の付いたがっしりとした脚を持っています。
全体的にはやや扁平でゴツゴツとしたフォルムです。対するコガネムシは光沢の強い鮮やかなグリーンの体色に彩られ、頭部も全体的なフォルムも丸みを帯びているのが特徴です。
また彼らを真上から見た時に胸部と前翅の境目に見える「小楯板」という部分が三角形に近いものがカナブン、半円に近いもコガネムシという判断基準も良く知られています。
更に彼らが飛んでいる姿は決定的で、飛行する時に鞘翅を開きません。正確には鞘翅を内側に少し傾けることによってできた隙間から後翅を出して飛ぶのです。
コガネムシは鞘翅も開かなければ飛ぶことはできません。
カナブンとコガネムシの違い(まとめ)
今まで述べてきたことに基づいてカナブンとコガネムシそれぞれの大まかな違いをまとめます。
- カナブンは夜行性で広葉樹の樹液を吸うハナムグリの仲間。コガネムシに比べて緑色の金属光沢は弱めで茶色や黄色の割合が多い。体型は平たくゴツゴツしており頭部は四角く小楯板は三角形。
- コガネムシは強い金属光沢を持つグリーンの体色。体全体のフォルム、頭部の形、共に丸みを帯びている。小楯板も半円形。成虫は植物の花や葉を食べる。
いかがでしょうか。
カナブンもコガネムシも身近な昆虫で、カブトムシやクワガタのように高値で取り引きされることは少ないですが、良く見れば色も綺麗で小さな可愛らしい姿をしており、虫が苦手な人でも比較的抵抗感の少ない昆虫と言えるかも知れません。
見つけた時には捕まえて観察してみるのも面白いのではないでしょうか。
まとめ
カナブンとコガネムシ違い ~特徴と見わけ方~
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