世界三大珍獣といえば、「ジャイアントパンダ」「オカピ」そして「 コビトカバ 」です。今回はその中から、見た目がなんとも可愛らしいコビトカバをご紹介します。
日本でも4つの動物園で飼育されているので、会いに行けばその可愛さに虜になることでしょう。
本当にカバ!?愛らしさ全開のコビトカバの魅力
コビトカバの知られざる秘密
コビトカバは、その名の通り小型のカバの仲間です。普通のカバと比べて、いくつか特徴的な違いがあります。そこでいくつかの点について、カバと比較しながら、コビトカバとはどんな動物なのか見ていきましょう。
まず最も顕著な違いは、その大きさです。普通のカバは体長3.5~4m、体重は1.2t~2.6tにもなります。一方コビトカバの体長は大人でも1.5~1.8m、体重は230kgほどしかありません。
普通のカバと並んでもまるで子供のようなサイズです。カバが四角張った顔と体つきをしているのに対し、コビトカバは全体的に丸っこい体つきをしています。
見た目もなんとなくカバというよりは丸っこい子牛のような愛らしさがあります。勿論大人になってもこのような顔と体つきです。
次に、活動時間の違いです。普通のカバは昼間に活動しますが、コビトカバは主に夜に行動します。
また、カバが群れで生活するのに対し、コビトカバは基本的に単独行動か、親子または夫婦といった少数で行動します。コビトカバはその小ささゆえに捕食者に狙われやすく、少数行動をすることで襲われるリスクを回避するためと考えられています。
最後に、普通のカバのイメージとしては、水面に顔だけ出してのんびり水中を泳いでいる姿を想像する方も多いのではないでしょうか。コビトカバも同じく水中でも過ごしますが、実は水掻きはカバほど発達していません。
それもそのはず、コビトカバが住んでいるのはリビエラ、ギニア、コートジボワールなどの国の、森の中。アフリカのサハラ砂漠を中心に生息しているカバと違って湿度も高い環境なので、水中での活動をそれほど必要としないようです。
以上のように、コビトカバは普通のカバとはいろいろと違った個性を持った動物ということがわかります。
希少なコビトカバの存在
コビトカバは現在絶滅危惧種としてレッドリストに登録されています。1993年の調査では、なんと世界に約3,000頭しか生息していないという結果が出ています。
コビトカバは体が小さいため、もともとワニなどの捕食対象になりやすいことに加え、森林伐採などによる生息域の破壊により、人間によって生活がどんどん脅かされている現状があります。
また、コビトカバが住んでいる国では戦争の歴史が長い地域が多く、野生下での十分な調査が困難でした。
初めて発見されたのは1800年代ですが、頭骨が発見されたり目撃例が多数報告されても、「小さいカバ」か、ただのカバの奇形との認識しかなされず、20世紀に入ってからようやく正式に種として登録されました。
しかしコビトカバの住む国では、原住民から「ニベクヴェ」と呼ばれるブタの怪物として語り継がれており、その存在は古くから人々と共にあったようです。
世界中の人々とってはまだ歴史の浅い動物ですが、動物園では繁殖成功例も多く、日本でもコビトカバに会える動物園があるのです。
次に日本でコビトカバに会える動物園を紹介します。
どこで会える?
現在国内では、10頭ほどのコビトカバが飼育されていて、上野動物園、東山動物園、南紀白浜アドベンチャーランド、いしかわ動物園でコビトカバに会うことができます。
特にいしかわ動物園で2016年に誕生した男の子のコビトカバ「ミライ」くんは、国内で26年ぶりに誕生した男の子のコビトカバです。お母さんと一緒に過ごす可愛らしい姿が見られるようです。
また、上野動物園ではコビトカバ含む世界三大珍獣の全てが同時に展示されています。国内でこの3種類すべてに会えるのは上野動物園のみなので、他の動物に会いに行きがてらコビトカバを見に行くのも良いでしょう。
ちなみに世界中の動物園ではコビトカバは約400頭ほど飼育されています。決して多いとはいえない数字ですが、次々と繁殖に成功しており、今後のコビトカバの保護状況に希望が持てそうです。
まとめ
本当にカバ!?愛らしさ全開のコビトカバの魅力
コビトカバの知られざる秘密
希少なコビトカバの存在
どこで会える