子供たちが夏休み中に飼育するのにピッタリな、クワガタの王様オオクワガタ。見た目もカッコよく、育てやすいので人気があります。
この夏、 オオクワガタ の 幼虫 を育ててその生態をじっくり観察してみませんか?手間をかけずに飼育できる菌糸ビンの使い方と注意点をご紹介します。
オオクワガタを菌糸ビンで幼虫から育ててみよう!
3段階あるオオクワガタの幼虫期
オオクワガタの幼虫は幼虫期が3段階にわけられ、「1令」「2令」「3令」と呼ばれます。孵化したばかりの幼虫は「1令」です。
「初令」とも言われます。大きさはとても小さく、頭幅は2mmほどしかありません。この頃はプリンカップなどを利用して育てるとよいです。
2~3週間後に最初の脱皮をして「2令」幼虫となります。頭幅は5mmほどになります。2令の幼虫が3~4週間後にまた脱皮して「3令」となります。
幼虫はこれ以上脱皮しないので、3令は「終令」とも呼ばれます。体は大きくなり、頭幅は10mm前後になります。
3令になった幼虫の、お尻の両側に黄色の斑があらわれたら、その幼虫はメスです。
オスの方がメスよりも体が大きいので、幼虫の頭や体の大きさを比較することで性別を見分けることもできます。
オオクワガタの幼虫はいくらぐらい?
オオクワガタの幼虫は、昆虫専門店やホームセンターで直接購入することもできますし、ネットショップやネットオークションを利用することもできます。
オオクワガタの飼育が初めてであれば、専門店を利用する方がよいでしょう。
どの幼虫を選んだらいいか専門知識のある店員に相談できるうえに、飼育途中で困ったことがあればアドバイスを受けることもできるからです。
一般的に、オオクワガタの幼虫は1頭800~1.000円で販売されています。産地や血統がよければ2,000円以上になることもあります。
オオクワガタの幼虫の飼育には菌糸ビンが最適
オオクワガタの幼虫は、菌糸ビンを使うとかんたんに飼育することができます。
菌糸ビンとは、ビンの中にオガ粉を入れて、オオヒラタケやカワラタケを培養させたものです。
幼虫をビンの中に入れ、キノコ菌が分解したオガ粉を食べさせて、ビンの中で成長させます。
菌糸ビンの飼育以外にマット飼育や材飼育という方法もありますが、菌糸ビンの方が手間もかからないうえに、オオクワガタが大きいサイズで羽化しやすいのでおすすめです。
菌糸ビンのキノコ菌に種類がありますが、オオクワガタにはオオヒラタケやヒラタケが適しています。菌糸ビンのサイズは目安として以下をご参考ください。
- オスの初令期~2令期、メスの幼虫: 500~800cc
- オスの2~3令期、大型のメス: 1400cc
容器には1頭だけ入れてください。
菌糸ビンは800円程度で購入できます。高温になると菌糸が腐るので、日が当たらず、18~20度が保てる場所で保管するようにしてください。
菌糸ビンに幼虫を入れる時の注意点
未使用の菌糸ビンの中には炭酸ガスが充満している可能性があります。菌糸ビンは買ったあと2~3日間逆さまに置いて炭酸ガスを抜いてください。
ガスが抜けてから幼虫を入れましょう。ビンの中の菌糸を扱う時は雑菌がつかないように、手袋をするかスプーンを使います。
まだ小さい1令の幼虫を菌糸ビンで育てようとすると、菌糸に負けて死んでしまうかもしれません。
初令から1~2週間は発酵マットを使い、その後、少し大きくなってから菌糸ビンへ移す方が安全です。菌糸ビンで育てるのは2冷期になってからでも構いません。
幼虫をビンに入れる時は、まず幼虫のサイズよりも少し広めに穴を掘ります。
菌糸の真ん中に穴が空いていたら、それは空気穴です。小さな幼虫を空気穴に入れると危険なので、別に幼虫サイズの穴を掘ってください。
穴に幼虫を入れたら、幼虫が自分で潜る様子を見守り、無理やり穴の奥へ押し込んだりしないでください。ビンの中の菌糸が幼虫のエサとなり、食べながら育っていきます。
菌糸が少なくなってきたら交換してください。通常、2~3ヵ月を目安として交換します。
サナギから羽化するまではさわらない
幼虫が成虫になるまで菌糸ビンの中だけで育てます。孵化から6ヵ月以上経つと、幼虫はビンの中に蛹室を作ってサナギになります。
サナギになる準備を始めたら菌糸ビンを交換する必要はなくなります。サナギになってからは特に何もする必要はありません。
4~8週間経つにつれだんだんクワガタらしい形に変化します。羽化した直後は体が柔らかい状態なので、さわったりしないでください。
羽化したあとは、オオクワガタの成虫が自分で外に出てくるまでそっと見守ってください。
まとめ
オオクワガタを菌糸ビンで幼虫から育ててみよう!
3段階あるオオクワガタの幼虫期
オオクワガタの幼虫はいくらぐらい?
オオクワガタの幼虫の飼育には菌糸ビンが最適
菌糸ビンに幼虫を入れる時の注意点
サナギから羽化するまではさわらない