
「販売数が希少なスローロリスはペットとして可能?(前編)」では、 スローロリス の生態や性格についてご紹介いたしました。
後編では、スローロリスを正規 販売 店で購入する重要性についてご紹介いたします。スローロリスは毒を持っていますので、正規販売店以外での購入は危険かもしれません。
販売数が希少なスローロリスはペットとして可能? (後編)
サルなのに毒をもっている?!
夜行性で、寝る時間を含めほとんどの時を木の上で過ごし、外敵に襲われる危険性のある地上にはあまり降りることがないと言われています。
動きが遅く、爪や角のような武器となる部位もないため、通常であれば簡単に外敵に捕食される危険性が高い動物と言えます。
しかしスローロリスにはサルの仲間では唯一、肘に毒の元となる成分が発せられる腺があります。
しかしこの成分だけでは毒としては完成されておらず、唾液が混ざることによって毒の効果を発揮させることができるのです。
その毒の元となる成分は独特な臭いがあり、通常スローロリス程度の大きさの動物を捕食する外敵も、その臭いの影響からスローロリスを避ける場合もあるそうです。
もし人間がその毒に犯されると、皮膚膨張や嘔吐、気道閉塞など体中にさまざまなショック症状があらわれ、過去には命を落とすという最悪な状態に陥ったという事実もあります。
しかし厳しい規定の中で正式に認められて日本国内で販売されているスローロリス全ては牙を抜くことで人間への毒の危険を回避しているそうなのでペットとして扱うことは問題ありません。
逆に牙が抜かれていない個体の場合は、正式な規定内で販売されている個体ではない可能性がありますので、安易に購入することはお勧めできません。
一方でスローロリスは毒を使わずとも鋭い歯を持っているため、噛まれると深い歯痕がついてしまうほどです。
日ごろはおとなしいスローロリスですが、比較的音に敏感など臆病と言われる動物のため、大きな物音や声などに反応して鳴いたり、反射的に噛みついたりすることもあるため十分注意が必要です。
密輸、密売が懸念されるスローロリス
基本的にはすばしっこさはなく、動きもゆっくりで小型でおとなしい性格から、人気を博すようになってきているスローロリスは安い場合30万円程度で販売しているところがあるようですが、50万円前後の販売価格が多く、高額な場合は100万円程度の高値をつけているようです。
ではなぜこれほどの高い販売価格がつけられているのでしょうか。スローロリスはここ十年ほどで一気に人気が出てきたことで、スローロリスが生息する現地では乱獲が広まり絶滅の危険にさらされたことから絶滅危惧種に指定されています。
そのため日本国内で販売されているスローロリスは規制前に国内にいた個体から繁殖したものであり、尚且つ厳正な規定に基づいて個体登録票が発せられている個体のみが出回っていることになるため、販売されている数は本当に限られたものになります。
そういった背景だからこそ高値販売されることに目をつけて密売や密輸が横行し、ますますスローロリスが自然界で生存していく難しさもあり数は減少するばかりとなっているのです。
スローロリスは希少価値が高い動物であるため、もし購入を検討している人は、スローロリスの寿命と言われる15年程を愛情深く育てあげる心構えが必要となるのです。
まとめ
販売数が希少なスローロリスはペットとして可能?(後編)
サルなのに毒をもっている?!
密輸、密売が懸念されるスローロリス