「ホーホケキョ!」 ウグイス のこの声を聞くと、春の訪れを感じる方は多いでしょう。「春告鳥」の別名を持つほど、春の象徴としてお馴染みのウグイスですが、時折 下手 な 鳴き声 が聞こえてくることはありませんか?
どうして下手な鳴き声になってしまうのか、ウグイスの声の謎に迫ります。
鳴き声の下手なウグイスがいるのはどうして?(前編)
「ホーホケキョ」の意味とは?
鳥の鳴き声には、大まかにわけて「囀り(さえずり)」と「地鳴き」がありますが、ウグイスの「ホーホケキョ」はこのうちの囀りです。
囀りには主に2種類の意味があると言われています。
一つは、繁殖期にオスがメスを呼び寄せるための求愛行動です。美しく綺麗に、大きな声で鳴けるオスほど、メスをいち早く獲得しやすいのです。
メスにとっては、そのように鳴くオスほど、生存競争に強く自分の子孫を残すために有利という意味を持ちます。
もう一つは、縄張りの宣言です。繁殖期の真っただ中で、せっかく獲得したメスが他のオスに取られてはひとたまりもありません。
従って、オスは囀ることで「ここは俺の縄張りだ!侵入者は許さないぞ!」と主張しているのです。
まだ寒い空の下で聞こえるウグイスの囀りは、春を待ちわびる私たちの心を和ませてくれるものです。
しかしウグイス達にとっては、繁殖をめぐる競争の幕開けでもあったというわけです。
キレイに鳴くためには練習が必要
ウグイスは最初からキレイに囀ることができるわけではありません。特に生まれたばかりのオスは、親や先輩ウグイスの囀りを聞いて、練習をする必要があります。
そのため最初は「ホケホケ」とか「ホーホケッ」といった、練習中の中途半端な囀りが聞こえることがあります。また囀るためには、それなりの体の構造も必要になってきます。
日が長くなるにつれウグイスの体内に特定の物質が増加し、喉の筋肉が発達することで、美しい囀り音を出せる体へと変化します。
オスはこの体の変化を待って練習を開始するのです。しかし個体によって、生まれつき囀りの上手下手という違いもあるようです。
ちなみに現在では禁止されていますが、江戸時代にはウグイスの飼育が流行して、美しい囀りを競ったという記録があります。
そして囀りのレベルを上げるために、より美しい囀りのウグイスを近くに置いて、生まれたばかりのオスに囀りを覚えさせるのだそうです。
まとめ
鳴き声の下手なウグイスがいるのはどうして?(前編)
「ホーホケキョ」の意味とは?
キレイに鳴くためには練習が必要